災害時に蓄電池はどんなことに役立つ? メリットや活用事例について解説!

災害時に蓄電池はどんなことに役立つ? メリットや活用事例について解説!

2023/10/7

いつ起きてもおかしくない自然災害や高騰する電気代に対策すべく、蓄電池の活用が普及しています。事実、2019年の市場規模は約5兆円でしたが、2030年には約30兆円、2050年には約100兆円に達する見込みです。(※)これだけ注目が集まっているので、蓄電池の購入を検討されている方もいるでしょう。

しかし、一口に蓄電池と言ってもその種類はさまざまなので、どれを選べばいいのか分からない方もいるかもしれません。蓄電池の導入を検討しているなら、概要や活用事例を押さえておく必要があります。

そこで本記事では、災害時に役立つ蓄電池や、用意しておくメリットを解説します。加えて、蓄電池の容量や出力などの詳細情報や、活用事例も合わせてご紹介するのでぜひ参考にしてください。

※出典:経済産業省.「蓄電池産業戦略中間とりまとめ」(2023-05-23).

 

災害時に活躍する蓄電池

蓄電池とは、電気を蓄えられる装置です。節電や省エネにつながるだけでなく、災害時の備えになるなどの理由から注目を集めています。

蓄電池には、家庭用蓄電池とポータブル蓄電池とがあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

家庭用蓄電池は、工事で設置し固定する蓄電池です。太陽光や電力会社から供給された電力を一時的に蓄えられます。電気代が安い時間帯に電気を蓄えられるので、高騰する電気代への対策になります。また、災害時の貴重な電源としても利用可能です。

ポータブル蓄電池は、持ち運びが可能な蓄電池です。キャンプや車中泊などのアウトドアな趣味で利用されるだけでなく、災害用の非常電源としても活躍します。
 

蓄電池を用意しておくメリット

蓄電池を用意しておくメリットは、いくつかあります。

まず挙げられるのが、電気を蓄えられる点です。電気代の安い夜間帯に電気を蓄えておき、日中に使用すれば、電気代を安く抑えられます。蓄電池の種類や容量、使用する家電の数にもよりますが、家全体の電力を補填することもできるでしょう。

また、災害時に電力を使える点もメリットです。日本は、世界的に見ても災害による被害の大きな国です。世界に占める面積は0.25%でありながら、マグニチュード6.0以上の地震の20%以上は日本で起きています。そのような被害による停電時でも、蓄電池があれば数日程度は安心して過ごせるでしょう。

※参考:内閣府防災情報.「災害を受けやすい日本の国土」.(2023-05-23).

※参考:東京電力.「夜トクプラン(夜間・深夜の電気使用量が多い方向け)|電気料金プラン|」.(2023-05-24).
 

蓄電池の容量、出力

蓄電池の導入を検討しているなら、容量や出力の違いは押さえておくべきです。

容量とは、電気を蓄える能力を指します。単位はkWh(キロワットアワー)で表され、容量が大きいほど、より多くの電力を蓄えられます。一般的な4人家族の世帯では、1日あたり約13kWhなので、このことも考慮して蓄電池を選ぶといいでしょう。容量が多ければ、その分消費電力の大きい家電に電源を供給できます。

一方の出力は、一度に利用できる電力の総量です。単位は容量と同じくkWh(キロワットアワー)で表され、出力が大きいほど、同時に利用できる電力量が大きくなります。

貯水槽で例えると、水を何リットル蓄えられるか表したものが容量で、一度にどれくらいの量を排出できるかを表したものが出力です。

※参考:環境省.「家庭でのエネルギー消費量について」.(2023-05-23)

※参考:エコでんち. 「自宅の電気料金の使用量を知るには?使用量を減らして節電するポイントも解説!」.(2023-05-23).
 

家電製品の消費電力量

家電製品によって、消費電力量は異なります。以下は、その一例をまとめた表です。

家電 消費電力
電子レンジ 1400W
電気炊飯器 1300W
ドライヤー 1000W
エアコン(10〜15畳) 750〜1100W
掃除機 1000W
電気ポット(沸騰時) 800W
冷蔵庫 200〜500W
液晶テレビ 50W
パソコン 45W
スマートフォンの充電 3〜5W

上記の消費電力は、家電メーカーや使用状況によっても異なります。詳細は、お使いの家電の説明書をご確認ください。

災害時であっても、冷蔵庫やパソコンの使用、スマートフォンの充電などで電力が必要です。1日あたり、およそ3〜4kWhは必要になると考えておくといいでしょう。

※参考:経済産業省. 「家庭の電気製品の消費電力(W:ワット)って知ってる?」.(2023-05-23).

※参考:エコ発蓄電池. 「災害時の蓄電池のメリットや活用事例【停電中も電気が使える!】」.(2023-06-03).
 

蓄電池の活用事例

蓄電池の活用事例を、家庭用蓄電池とポータブル蓄電池に分けて見ていきましょう。
 

家庭用蓄電池の活用事例

家庭用蓄電池は、自然災害で停電した際の非常電源として活用できます。例えば、以下のようなケースです。

●冷蔵庫の使用
●テレビの視聴
●照明の使用

家庭用蓄電池は、種類にもよりますが容量が大きい点が特徴です。そのため、数日間電気が使えない状況下でも、家庭で電力を使用できます。電力を節約しながらになりますが、停電しているときに比べると、快適かつ安心して過ごせるでしょう。
 

ポータブル蓄電池の活用事例

ポータブル蓄電池も、家庭用蓄電池と同じく災害時の停電で活用できます。例えば、以下のようなケースです。

● 電子ケトルの使用
● スマートフォンの充電
● 卓上IHクッキングヒーターの使用

ポータブル蓄電池は家庭用蓄電池より容量が少ないものが多いため、大きく電力を蓄えることはできません。しかし、持ち運びが可能なため、やむを得ず家庭から出て避難所に行かなければならないケースでも活躍します。
 

まとめ

蓄電池は、電気を蓄えられる装置で、家庭用蓄電池とポータブル蓄電池があります。

電気量の安い夜間帯に電気を蓄えられるので、高騰する電気代の対策となり得ます。また、停電時や災害時に電力が使える点もメリットです。

日本は世界的に見ても、地震や台風などの自然災害による被害の大きな国です。停電することもしばしばあるので、そのような状況下で電力が使えると安心できるでしょう。

いざという状況でも対応できるように、蓄電池を備えておいてはいかがでしょうか。

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