ノベルティグッズを商品化すると違法になるの? 販売するために知っておきたいことを解説!

ノベルティグッズを商品化すると違法になるの? 販売するために知っておきたいことを解説!

2023/8/7

[導入]

商品やサービス、企業そのものの認知拡大はマーケティングの基礎となる段階です。まずはできるだけ多くの人に知ってもらうことが大切であり、そのためにさまざまな方法でプロモーションを行います。

中にはノベルティグッズの配布を実施している企業も見受けられます。もらった側はうれしく、売り手側にとっては認知拡大と潜在顧客層の獲得にもつながる効果的な手法といえるでしょう。

しかしノベルティグッズには、取り扱いに注意が必要な点もあります。本記事ではノベルティグッズの商品化に関する法的な是非と、販売するために知っておきたいポイントを解説します。
 

 

ノベルティグッズとは?

ノベルティグッズとは、企業が認知拡大・集客・ブランディングを目的として配布する物品のことで、無料であることが前提です。グッズの内容は広範囲にわたり、ボールペン・クリアファイルなどの文房具から、ウェットティッシュ・エコバッグといった日用品までさまざまなものがあります。

英語の「Novelty」は本来「新しくて珍しいもの」「未経験の興味深いこと」といった意味の言葉で、日本での使い方は独自のニュアンスとなっています。しかし無料配布のグッズを通じてユーザーの興味を喚起するという意図を、よく表しているといえるでしょう。

またノベルティグッズには大きくオープン型とクローズ型の二種類があります。それぞれの概要を解説します。
 

 

オープン型のノベルティグッズの条件

オープン型のノベルティグッズとは、原則的に誰でも受け取ることが可能なものを指します。

商品の購入以外の形で、アンケートの回答や無料の会員登録、あるいはSNSアカウントのフォローやメールマガジンの受信といった何らかのコンタクトを条件とするのが一般的です。
 

 

クローズド型のノベルティグッズの条件

一方、クローズド型のノベルティグッズは、商品やサービスを購入・利用した人を対象として配布されるものです。

例えば一定額以上の購入で配布されるグッズやレジのくじ引きで配布されるグッズ、商品に付いたシールの収集やレシートに添付されたクーポンとの引き換えで配布されるグッズなどが挙げられます。

ノベルティグッズの販売は違法なの?

無料配布を原則とするノベルティグッズですが、販売することは可能なのでしょうか。

結論からお伝えすると、ノベルティグッズとして作られたものを販売することは違法となり、その根拠法令も存在しています。

しかし法で定められた一定の条件を満たすことで、販売が可能となるケースもあります。違法となるケースとそうでないケースの事例を見てみましょう。
 

 

違法となるケース

「家庭用品品質表示法」にのっとった表示がされていない場合、ノベルティグッズの販売が違法となることがあります。家庭用品品質表示法に準じた表示には、は消費者に対して商品品質を適正に知らせる目的があり、原則あらゆる商品に明示されているべきものです。

一方、ノベルティグッズの位置付けは「景品」であり、その扱いも「景品表示法」に規定されています。そのため家庭用品品質表示法に準じた表示が義務ではありません。

家庭用品品質表示法に準じた表示がなされていないノベルティを販売・転売すると、違法となります。
 

 

販売できるケース

上記の事柄を踏まえると、ノベルティグッズを販売できるケースとは家庭用品品質表示法に基づいた品質表示がされたものであることと定義できます。同法は商品の材質を中心としたカテゴリごとに別個の規定があります。次でもう少し詳しく見ていきましょう。
 

 

家庭用品品質表示法とは

家庭用品品質表示法とは、読んで字のごとく、家庭用品などの一般消費者が使用する商品の品質を明示するための法律です。第一条ではその目的を「家庭用品の品質に関する表示の適正化を図る」ことで「一般消費者の利益を保護する」と定義しています。

家庭用品品質表示法では商品の材質ごとに「繊維製品」「合成樹脂加工品」「電気機械器具」「雑貨工業品」の4種に分類し、それぞれに規定があります。

※出典:e-Gov法令検索. 「家庭用品品質表示法(昭和三十七年法律第百四号)」
 

 

違法に販売した場合の措置

ノベルティグッズの違法販売は、景品表示法による罰則規定に準じた措置を受けます。端課徴金対象行為とみなされれば、課徴金の納付が必要となり、対象とされる期間の売上の3%を徴収されることになるでしょう。

なお当該景品類の排除や再発防止策実施などの「措置命令」が出された場合、弁明の機会が与えられます。承認されれば課徴金が免除されることもありますが、措置命令に従わない場合には最大で懲役2年、罰金300万円の刑事罰が科されることもあるため、十分に注意しましょう。

※出典:消費者庁 表示対策課. 「景品表示法への課徴金制度導入について」

※出典:-gov 法令検索 .「不当景品類及び不当表示防止法(昭和三十七年法律第百三十四号)」
 

 

まとめ

ノベルティグッズの概要と販売する際の関係法令、商品化のポイントなどを解説しました。

ノベルティグッズは景品であるという位置付けを理解し、商品とする場合には法で定められた条件を満たす必要があることを念頭に入れましょう。

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