【防災豆知識】防災備蓄の水は捨てるべき?

【防災豆知識】防災備蓄の水は捨てるべき?

2024/4/2

 

Q.防災備蓄用の水は賞味期限が切れたら使用できなくなりますか。
■結論:一律に飲めなくなるものではない。

 

回答

食品衛生法で「水のみを原料とする清涼飲料水をミネラルウォーター」と定義し、清涼飲料水の個別の成分規格や製造基準が定められています。
ミネラルウォーター類の一般的な製造方法は、特定水源から採水された地下水や水道水を原水として使用し、この原水をろ過した後、殺菌し、ペットボトルなどの容器に充填しています。
殺菌方法は、加熱殺菌(中心部85℃・30分間若しくは同等以上)、ろ過除菌、紫外線殺菌、オゾン殺菌などがあります。
長期保存水の賞味期限は5~10年で、通常のミネラルウォーター(約2年)の2倍から5倍ほど長持ちします。

 

賞味期限は、定められた方法により保存した場合において、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限であり、飲料水は賞味期限を過ぎても一律に飲めなくなるものではありません。

国産のミネラルウォーターの多くは、製造工程で加熱殺菌などが行われていますので、品質の劣化が起こりにくく、食品表示基準においては、ガラス瓶入りのもの(紙栓を付けたものを除く)やポリエチレン容器入りのミネラルウォーターの賞味期限や保存方法は、省略できることになっています。

大規模な災害に備えて、家庭備蓄の重要性が高まっています。
特に水は不可欠なものとして、1人1日3リットルを目途に、最低3日分~1週間分の備蓄が望ましいといわれています。

普段から少し多めに買っておき、使ったら使った分だけ新しく買い足して、使いながら備蓄を心がけることはもちろんですが、賞味期限が切れたからと慌てて処分しないで、いざというときに役立ててください。

[ミネラルウォーターに賞味期限がある理由は主に2つ]

■1つ目:内容量が変わってしまう
ペットボトルは通気性のある容器なので、長期保存しておくと中の水が少しづつ蒸発して少なくなってしまう。
ペットボトルに記載されている内容量と差がありすぎると法律違反になってしまうため、賞味期限が定められている。

■2つ目:においが移ってしまう
においの強いものと一緒に置いておくと、ペットボトルににおいが移ることがある。
できるだけにおいのない状態で飲んでもらうために期限が定められている。

 

まとめ

備蓄用の保存水は、未開封の状態であれば半永久的に腐ることがなく、たとえ賞味期限が切れてしまっても問題ありません。

「お水は賞味期限が切れていても大丈夫」という知識があれば、災害で断水が起こったときにも、長期間にわたって保管してあるお水を役立てられますよね。
賞味期限切れがどうしても気になるときは、手洗いや掃除、洗濯、植物の水やり等、生活用水として活用して無駄にしないようにしましょう。
一覧へ戻る