コラム

BCPと防災の違いについて

2022/6/30

BCPとは、自然災害を含むあらゆる非常時に企業が事業活動を継続するための計画を指します。

一方で防災とは、自然災害が発生した場合に会社の資産を守るための計画のことです。

BCPと防災と間には、対象となる企業や地域、適用されるのが被災の前後のどちらかなどの

違いがあります。これらの違いを理解してBCPと防災を策定することが重要です。

 

日本は災害の多い国であるため、BCPや防災という言葉を頻繁に耳にします。

この2つの言葉の意味の違いを理解することにより、災害に対してより効果的な対策を

講じることができるでしょう。

当記事ではBCPと防災の違いについて解説します。

 

BCPの対象と目的

BCPとは、「Business Continuity Plan」の頭文字を取ったものです。

「Business」という言葉からわかるように、非常時に企業がどのように

事業活動を継続するかを考慮した計画を指します。

したがってBCPは日本語で「事業継続計画」と呼ばれ、自然災害を含むすべての

非常時に事業を継続させるための対策となります。

BCPは地震や台風などの自然災害はもちろんのこと、感染症の蔓延やテロなどの事件、

停電などさまざまな非常時に適用されます。

こうした非常時に、企業が受ける被害を最小限に抑え、事業を継続したり、

早期の復旧を試みたりするためにBCPが必要となるのです。

もしBCPを策定していないと、非常時に事業活動が継続できず、顧客からの信頼を

失ってしまうことにつながりかねません。

また、顧客に限らず、株主や地域住民、官公庁など企業を取り巻くステークホルダーからの

信頼を得るうえでも、BCPの策定は効果が期待できます。

非常時に冷静に対応できるようBCPを策定することで、企業としての信頼や従業員の

安全を確保することができるのです。

 

防災の対象と目的

防災は、災害を未然に防ぐことや被害の拡大を防止することを目的としています。

さらに、防災は企業のみを対象とするものではなく、建物の安全性や利用者の安全を

確保することも含まれます。

BCPと防災にはいくつかの違いがあります。BCPと防災とで異なる以下の3つを確認しましょう。

 

  • 非常時の想定
  • 対策を講じる対象
  • 適用されるタイミング

 

1.対策を立てる際の非常時の違い

BCPと防災の最初の違いは、どのような事態を想定しているかという点です。

前述のように、BCPは自然災害を含めすべての非常時に備えています。

工業製品などを製造している企業の場合にはリコール、食料品を作っている企業の場合には

食中毒など、内的要因による非常時にもBCPが適用されます。

さらに、資金不足や部品の調達が遅れるなどの事態も想定して対策を立てなければなりません。

一方で、防災は地震や洪水などの自然災害のみを想定しており、他の非常時は機能しない

場合もあります。

 

2.対策を講じる対象が異なる

BCPの主な目的は事業活動の継続です。

したがって、災害やトラブルが発生した場合の自社の機能を守ることに加えて、

他の企業との協力も必要となる場合があります。

たとえば取引先の企業と協力して情報のバックアップを取っておくこと、

共同で経営資産を確保・保護することなどが考えられます。

災害時に会社の資産を守るためのシステムやアプリケーションなどが高価である場合でも、

BCPで複数の企業で共同運用すればコストを削減することが可能となるでしょう。

加えて、BCPは企業活動に影響を及ぼすあらゆる脅威が対象となります。

取引先のみならず、資材や材料の確保、資金調達をする金融機関などに及ぶ影響なども

考慮してBCPを作成します。

一方で、防災は自然災害による被害を最小限に抑えることを目的としているため、

企業が自社を守るために策定されます。

加えて、複数の支店や支社がある場合には、災害の起こる可能性の高い地域に限定して

策定されることも少なくありません。

災害が予想される地域に限定して防災計画を策定すれば、災害が少ない地域でも

同じ計画が適用されずにすみます。

対象が自社のみか、他者も含まれるかがBCPと防災の違いとなるのです。

 

3.適用されるのが被災前か被災後か

BCPが被災後にどのような対策を講じるかを策定するのに対し、防災では経営資産が

失われないために事前に対策を打つという違いがあります。

BCPを策定する場合には、非常事態に会社の資産が失われたり企業活動の継続が

困難になったりした場合に、資産を戻したり企業活動を素早く復旧するための方法を考えます。

一方で防災では、災害が起こった場合でも会社の資産を失わないための対策を講じることです。

 

【まとめ】

BCPと防災の違いを理解して非常時に万全の備えを

BCPと防災は、重なる部分があるものの、その目的や対象には違いがあります。

この違いを理解しておくことで、会社の資産を失うリスクを減らし、

万が一企業活動が危機に瀕しても顧客からの信頼を失わずに済むための対策を

立てることができます。

ぜひBCPと防災の違いをよく理解し、あらゆる非常時に備えるようにしましょう。

The following two tabs change content below.
Avatar

株式会社亀忠 編集部

愛知県名古屋市に本社を構え、創業明治3年からノベルティの制作・企画・提案を行っている歴史ある会社です。