2022/6/2
自然災害の多い日本では、従業員の命を守るために災害時に必要な非常食を備蓄しておくことが
企業にも求められます。しかし水や食料が期限切れとなってしまい、
廃棄せざるを得ないケースも少なくありません。有事の備えとしてだけでなく、
食品ロスを防止する観点からも企業が非常食の管理を行うことは大切なことです。
今回は企業の非常食対策や賞味期限の目安などを紹介します。
目次
農林水産省は「(賞味)期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません」と
しています。つまり賞味期限と表示されている日付を1日でも過ぎたら
食べられないわけではないのです。
注意したいのは「賞味期限」と「消費期限」の違いです。「賞味期限」とは、
指定された方法で保存していた場合、記載された年月日まで「品質が変わらずに
おいしく食べられる期限」のこと。一方「消費期限」は、記載された年月日まで
「安全に食べられる期限」のことです。
賞味期限は「おいしく食べられる」期限。消費期限は「安全に食べられる」期限を
意味します。「消費期限」は守るべきですが、「賞味期限」が過ぎたら
食べられないわけではありません。もったいないと考えるなら、
味見してから食べるとよいでしょう。
ただし賞味期限を大きく過ぎている場合は、処分するのが無難です。
企業が備蓄した食料を入れ替える場合には、「フードバンク」に寄付する方法があります。
フードバンクとは、まだ食べられるのに、廃棄しなければならない食品の寄付を受け入れ、
食品の支援を必要とする福祉施設などに分配する活動を行っている団体のことです。
ただし賞味期限を過ぎている食料は、フードバンクに寄付できません。
賞味期限まで3カ月以上ある食品でないと、寄付を受け付けていないのです。
寄付する場合は、余裕を持って行いましょう。
フードバンクは、食品ロスの防止と福祉活動を兼ねたものとして1960年代にアメリカで始まり、
世界各国に広まりました。日本では2002年にセカンドハーベスト・ジャパンが設立されて以来、
全国各地にフードバンクの団体が広がっています(株式会社亀忠でも、東海3県に限り
「セカンドハーベスト名古屋」への寄付を代行しています)。
賞味期限切れとなってしまった非常食は、廃棄されているのが現状です。
企業の場合、賞味期限切れの備蓄食は産業廃棄物となり廃棄コストもかかってしまいます。
賞味期限切れを防ぐ対策としては、「ローリングストック法」があります。
ローリングストック法とは、備蓄した食料を災害の有無にかかわらず、
定期的に消費しながら新しい食材を買い足していく方法のこと。食品の廃棄を防止しながら、
食品ロスも減らせるとして注目されている備蓄法です。
ローリングストック法には、他にも次のようなメリットやポイントがあります。
非常食には、乾パン・水で戻すアルファ化米など、普段食べ慣れていないものも
あります。慣れていなければ、非常時に「食べ方がわからない」「味になじめない」など
戸惑う人もいるでしょう。しかし非常食を定期的に消費して循環させる
ローリングストック法なら、非常食に接する機会が増えて、万が一の際にも戸惑いません。
ローリングストック法を実施するポイントは、食品ごとの賞味期限を管理して把握した上で
古いものから使用することです。使用した分はすぐに補充をしましょう。
いつ起こるかわからない災害に備えるには、ストックの空白期間をつくらないことが
大切なポイントです。
消防法で企業には年1回以上の防災訓練実施が義務づけられています。
その機会に古くなった保存食を従業員で食べてみたり、防災の日(9月1日)などの
タイミングで食べてみたりするのもよいでしょう。
非常食には多くの種類があり、賞味期限が1年しかないものから、
25年程度あるものまでさまざまです。それぞれの賞味期限はパッケージに明記されていますが、
ここでは主な非常食の賞味期限の目安を紹介しましょう。
■お米(アルファ化米):賞味期限5~7年程度
アルファ化米は水や熱湯で戻して食べるタイプの食料です。長期間、
常温で保存できるように急速乾燥させているため、微生物が繁殖できず、
腐食しにくいのが特徴で多くの製品が5〜7年程度は保存できます。
■飲料水:賞味期限5~12年程度
長期保存に適した防災備蓄専用の「保存水」飲料水なら、5〜12年程度の保存が可能です。
保存できる期間は、通常のミネラルウォーターの2〜5倍程度。複数のメーカーから
販売されていますので、通常のミネラルウォーターではなく保存水を備蓄しましょう。
■乾パン:賞味期限5年程度
非常食の代名詞のような乾パンには、缶詰タイプと袋入りタイプの製品があります。
両方とも賞味期限が5年ほどあり、長期保存に向いています。
■缶詰:賞味期限3年程度
主菜や副菜として重宝する缶詰の賞味期限は、2〜3年程度が一般的です。
中身によって保存できる期間は異なり、水産缶詰は製造日から3年、果実缶詰なら2〜3年、
野菜缶詰の場合は2〜3年、畜産缶詰は3年が目安とされています。
2011年の東日本大震災をきっかけに、企業にも防災対策として食料などの備蓄が
重要視されるようになりました。東京都など多くの自治体で「帰宅困難者対策条例」が
定められ、従業員のために、72時間分(3日分)の水・食料などを備蓄することを
努力義務としています。
しかし水や食料は備蓄していても、数年ごとに新しいものに切り替えていかなければ
なりません。企業が非常食を活用するには、平時から賞味期限を把握して管理する
必要があります。
非常食を管理する重要性は理解していても、さまざまな業務に追われ、
非常食の管理にまでリソースがさけない企業もあります。そのような場合には、
非常食をはじめとする災害備蓄に関する業務を外部へアウトソーシングするのも有効です。
株式会社亀忠では、賞味期限の管理や期限切れが近づいた水や食料の回収などの
サービスを提供しています。非常食の管理にまでリソースがさけない企業の方は、
弊社のような管理業者の活用もご検討ください。
株式会社亀忠では、賞味期限の近づいた非常食の回収だけでなく、防災備蓄品の消費期限や
在庫を管理。他社での購入分も含めてお客様ごとに管理表を作成して防災備の備蓄在庫を
確認して、今後の備蓄品なども提案しています。
非常食などの防災備蓄に関してわからないことがある企業の防災担当者の方は
お気軽にご相談ください。
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愛知県名古屋市に本社を構え、創業明治3年からノベルティの制作・企画・提案を行っている歴史ある会社です。