コラム

企業で防災備蓄の努力義務を怠ることのリスクについて

2022/4/26

防災備蓄とは、電気・水道・ガスなどのライフラインが、災害で停止した場合に備えておく

非常食や飲料水、生活用品のことです。企業が防災備蓄を準備しておくことは、

多くの自治体で努力義務とされています。  努力義務に罰則はありません。

しかし防災備蓄を怠っている企業にはリスクもあるのです。

この記事では防災備蓄の努力義務を怠ることのリスクや準備する際の注意点を紹介します。

防災担当者の方はぜひ参考にしてください。

 

現時点では企業の防災備蓄は努力義務

企業には、地震などの災害に備えて、最低でも3日分の非常食や飲料水、生活用品などを

確保しておくことが義務づけられています。  ただし防災備蓄は、あくまで努力義務。

努力義務とは「〜するよう努めなければならない」と規定される内容を指します。

努力義務では、積極的な努力を義務づけられますが、罰則や法的拘束力はありません。

しかし罰則や法的拘束力がないからといって、準備を怠ると従業員の生命を危険にさらすことに

なりかねません。2011年の東日本大震災では、東京で約515万人もの帰宅困難者が発生。

駅周辺や道路が帰宅困難者で混雑を極め、大混乱となりました。

今後、首都直下の大規模災害が発生した場合、交通機関の停止で発生した帰宅困難者が、

火災や建物倒壊などの二次災害に巻き込まれる危険があります。

また帰宅困難者があふれることで、消防や救急などに支障が生じる可能性もあるのです。

東京都は東日本大震災での混乱をきっかけに、2012年3月「東京都帰宅困難者対策条例」を

制定。

2013年4月より施行して、事業者に従業員の一斉帰宅の抑制と、3日分の食料などを備蓄する

努力義務を課しました。従業員を企業の施設内にとどめることで、帰宅困難者があふれることを

防止するためです。

災害から大切な従業員を守るためだけでなく、社会の混乱を少しでも抑えるためにも

企業に防災備蓄が求められているのです。CSR(企業の社会的責任)の観点からも

防災備蓄はおろそかにできません。

 

企業には安全配慮義務が課せられている

企業に安全配慮義務が課されていることも、防災備蓄を準備しておくべき理由です。

安全配慮義務とは、労働契約法の第5条で定められたもの。「労働者がその生命、身体等の安全を

確保しつつ労働できるよう、必要な配慮をする」ことを企業に義務づけた法律です。

安全配慮義務は災害発生時にも適用されるため、企業は災害から従業員を守るために

可能な限りの対処をしておく必要があります。仮に安全配慮義務を怠っていたために従業員が

被害を受けた場合には、企業は法的な責任を問われて、損害賠償金を支払う責任が生じます。

2011年に発生した東日本大震災では、宮城県の自動車教習所の教習生24人と職員1人が

津波の犠牲となりました。このケースでは、自動車教習所に安全配慮義務違反や過失が

あったとして遺族が損害賠償を請求。仙台地方裁判所の第一審判決は、

自動車教習所に法的責任があると認めて約19億1千万円の賠償を命じています

(裁判はその後、自動車教習所と遺族との間に和解が成立)。

国の防災基本計画でも、災害時に企業が果たす役割として、生命の安全確保、

二次災害の防止などが挙げられています。「コストがかかる」「多忙でそこまでできない」

などの理由で、対策をおろそかにしていたら、安全配慮義務違反に問われる可能性があることも

理解しておきましょう。

 

3日分以上の防災備蓄が大切

東京都は企業に防災備蓄として、最低で「3日分の食料や飲料水」の準備を求めています。

東京都が「3日分」としているのは、災害が発生時の人命救助のタイムリミットが72時間

(3日)とされているためです。また消防や救急などの救助活動を妨げないためにも、

3日間は企業のビルなどにとどまってほしいという趣旨で、東京都は防災備蓄を

「3日分」としています。

ただし「3日分」は、あくまでも必要最低限の量です。災害が大規模なものとなった場合、

断絶したライフラインの復旧が想定よりも遅れて避難生活が長期化することもあります。

その場合は、3日分の防災備蓄では足りなくなるでしょう。安全な避難生活のためには、

3日分を必要最低限として、できれば1週間分以上の防災備蓄を行ってください。

 

企業で防災備蓄を行う上での鉄則

企業が防災備蓄を準備する際には、備蓄品の保管方法について注意すべき点が2つあります。

それは「消防法令を意識する」ことと「備蓄品の賞味期限切れに注意する」ことです。

それぞれの注意点を説明しましょう。

 

備蓄の保管方法は消防法令を意識する

 

備蓄品を保管する場所は、消防法令に触れないよう注意しなければなりません。

以下のようなケースには特に気を付けてください。

 

●備蓄品で通路がふさがっている

●備蓄品がスプリンクラー設備に触れている

●パイプシャフトに備蓄品を置いている

●機械室を倉庫にして備蓄品を保管している

 

上記は消防法令に違反します。防災備蓄をする際には、各種法令に違反する保管法と

なってはいないかチェックしてください。

 

備蓄品の賞味期限切れに注意する

 

非常食や飲料水を備蓄していても、いざ必要となったときに賞味期限が切れていては役に立ちません。

そこでおすすめするのが「ローリングストック法」です。ローリングストック法とは、

備蓄している非常食の中から古いものを定期的に消費して、消費した分を新たに足していく

保管法です。

ローリングストック法なら、常に新しい食料を確保できるだけでなく、

実際の使用感を確かめられるため、防災備蓄の改善にも役立ちます。

ローリングストック法を効率よく行うためにも食料や水、防災グッズなどは、

それぞれの賞味期限や使用期限を把握できるよう在庫管理表を作成して

管理してください。

 

まとめ

災害大国の日本では、企業も防災備蓄を準備しておくことが必要です。

もし防災備蓄品の管理や消費期限のチェックに割くリソースが不足しているなら、

亀忠にご連絡ください。消費期限の近い食品の回収などの在庫管理を代行致します。(防災備蓄品ご提案管理回収サービスについて詳しくはこちら)

(東海三県)

オリジナルの防災セットの製作や、保管についてのアドバイスも行っていますので、

企業の防災担当者の方はお気軽にご相談ください。

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株式会社亀忠 編集部

愛知県名古屋市に本社を構え、創業明治3年からノベルティの制作・企画・提案を行っている歴史ある会社です。