2023/8/7
地震大国の日本では、企業が地震対策を行っておく必要があります。働く人の多くが日中は
家にいるより、オフィスで過ごす時間の方が長いためです。
企業には従業員の命を守る義務があると同時に、被害をできるだけ抑えて事業を守る
社会的責任もあります。
当記事では地震に備えて企業・会社が行っておくべき対策と避難時の持ち物リストを紹介します。
企業の防災担当者の方は参考にしてみてください。
厚生労働省は災害発生時、企業に従業員の生命の安全を守る「安全配慮義務」があると
しています。
(※)地震が起きた際に備えて、企業が従業員を守るための対策は次の4つが基本です。
4つの対策をそれぞれ詳しく紹介します。
※出典:厚生労働省「労働災害の発生と企業の責任について」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei14/dl/081001-1b_0006.pdf(参照2023-01-06)
避難訓練は地震発生時に取るべき行動を、従業員に周知する貴重な機会です。
防災意識を高めるためにも、年に1回以上実施するとよいでしょう。
消防法第8条(※)に基づき、避難訓練を実施している企業も多いはずです。
ただし、毎回同じようなシナリオで訓練を繰り返していると、
マンネリ化して緊迫感が欠如してしまうこともあります。
そうしたときは消防署で行われている防災訓練を取り入れたり、防災の専門家を招き、
巨大地震を想定した訓練のシナリオ作成や訓練のアドバイスを受けたりすると
よいでしょう。
避難訓練はあらかじめ定めておいた防災マニュアルやBCP(事業継続計画)に
従って行うと効果的です。
防災マニュアルを作成する際のポイントについてはのちほど紹介します。
※出典:e-Gov法令検索「消防法第8条」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC1000000186(参照2023-01-06)
オフィスに防災用品などの備品をそろえておくことも大切です。
多くの地方自治体が条例を定めて企業に防災用品の備蓄をうながしています。
東京都も帰宅困難者対策条例(※)で地震発生時に従業員を社内にとどめておくための
備蓄を推奨しています。
水や食料の備蓄はもちろん、ライフラインがストップした際に役立つ防災用品を確保して
おくことが大切です。
大規模な地震災害が発生してライフラインがストップすると、人命救助・救援活動優先のため、
復旧までに72時間(3日間)が必要とされています。
そのため企業では人数×3日分の備蓄品を準備し、保管しておく場所も用意しなければなりません。
地震に備えて企業が備えておくべき防災用品の具体例については、後半で詳しく紹介します。
※出典:東京都防災ホームページ「東京都帰宅困難者対策条例」
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/kitaku_portal/1000050/1000536.html(参照2023-01-06)
東京消防庁は地震による負傷の原因の「約30%〜50%が、家具類の転倒・落下・移動によるもの」
であると発表しています。(※)
特にオフィスには重量のあるキャビネットやパソコンが多く、地震の揺れで倒れて
下敷きになると危険です。
倒れたオフィス家具につまずくことや、倒れたときに割れたガラスなども負傷の
原因となりかねません。
オフィス家具は地震に備えて固定しておくことが大切です。
効果的なのはオフィス家具を金具で床・壁下地の鉄骨・コンクリートとボルトで
固定する方法です。
オフィス家具のガラスに飛散防止フィルムを貼ったり、避難経路をふさがない位置に
オフィス家具を配置したりすることも有効でしょう。パソコンなどのOA機器はデスクへ
固定すると倒れにくくなります。(※)
※出典:東京消防庁「地震時の危険」
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-bousaika/kaguten/danger.html(参照2023-01-06)
※出典:東京都防災ホームページ「オフィス家具類転倒防止対策」
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/bousai/1000027/1000295.html(参照2023-01-06)
地震などの緊急時の行動計画・復旧計画を作成しておきましょう。
定めておくといい項目としては
「災害時の役割分担」「情報収集の内容・手段」「緊急連絡網」「初期対応・避難方法」
などです。
それぞれの具体的な方法・手順を定めてマニュアル化してください。
地震の発生時に分厚いマニュアルを読む時間はありません。万一の際に取るべき行動を簡潔に
記したチェックリストも作成しておきましょう。
マニュアルには平常時に行っておく事項も記載します。例えば、従業員や取引先の
連絡先リストの作成・更新などは、実施時期・担当者・確認者などを決め文書化して
社内のルールとして周知しておくことが大切です。
防災マニュアルは1度作成したら、それで終わりではありません。
定期的に見直して更新が必要な内容を改訂していくことも必要です。
また、作成した防災マニュアルをもとに避難訓練を実施し、運用して見つかった改善点があるなら、
その都度見なおしていきましょう。
出典:埼玉県産業労働部産業支援課「中小企業の防災・事業継続の手引きP13」
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kigyou/keizoku/pdf/bcp-manual.pdf(参照2023-01-06)
最後に地震発生時に備えて企業が用意しておくべき持ち物を紹介します。
以下のリストは中小企業庁の「中小企業BCP策定運用指針・災害対応用具チェックリスト」
(※)より引用(一部省略・表記を全体に統一)したものです。
※出典:中小企業庁「中小企業BCP策定運用指針(様式19)災害対応用具チェックリスト」https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/contents/level_b/bcpgl_07_19.html(参照2023-01-06)
地震の発生確率が高い日本では、個人だけでなく企業にも地震対策が求められます。
従業員の安全を確保するためには、企業が日頃から地震対策に取り組み、防災備品を適切に
準備しておくことが重要です。
今回、紹介したオフィスの地震対策のポイントと、そろえておきたい防災備品を参考に
地震対策に取り組みましょう。
参考URL
企業が行っておくべき地震対策
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei14/dl/081001-1b_0006.pdf
避難訓練の実施
https://www.alsok.co.jp/corporate/bsl_column/evacuation-drill.html
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC1000000186
https://www.ocrenger.jp/archives/3387/#:~:text=%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%AE%E9%81%BF%E9%9B%A3%E8%A8%93%E7%B7%B4,%E3%81%AA%E8%A1%8C%E5%8B%95%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
防災用品など備品の備え
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/kitaku_portal/1000050/1000536.html
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-bousaika/kaguten/danger.html
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/bousai/1000027/1000295.html
https://shinwa-bosai.co.jp/column/supplies/366/#01
棚やパソコンの転倒防止対策を実施
https://www.elixia.co.jp/sangyoui/column-occupational-health/hygiene-committee/corporate-disaster-prevention/
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/bousai/1000027/1000295.html
災害時の対応マニュアルの作成
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kigyou/keizoku/pdf/bcp-manual.pdf
https://www.alsok.co.jp/corporate/recommend/disaster-prevention-manual.html
地震に備えて企業が備えておくべき持ち物リスト
https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/contents/level_b/bcpgl_07_19.html
https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/contents/bcpgl_download.html(様式19をDL)
愛知県名古屋市に本社を構え、創業明治3年からノベルティの制作・企画・提案を行っている歴史ある会社です。